第7回線引き全市見直し に係る答申について
本日 相模原 都 計画審議会 長 対し 第 回線引 全 見直し い 答申 あ まし 知 せします
都 計画区域 区域区分 線引 都 計画 根幹 いえ 制 こ
ま 神奈川県 回 見直し さ こ す 地方分権改革
一環 し 都 計画区域 整備 開発及び保全 方針 整開保 策定権限
県 指定都 移譲さ こ 伴い 第 回 線引 見直し 本
主体的 行うこ こ まし
こ 国 動 を踏まえ 成 月 日 審議会 対し 第
回線引 全 見直し い 問し 審議会 学識経験者 小委員会を設
置し 約 半 間 全 回 わ 多様 視点 検討 まし
本 月 小委員会 検討結果を基 都 計画区域及び区域区分 在 方 や 都 計画区域 整備 開発及び保全 方針 策定 考え方等 い 審議
会 い 提言 取 ま 本日 長 答申さ す
答申 日時及び出席者 日 時
成 月 日(月) 午前 時 午前 時 分ま 出席者
○相模原 都 計画審議会 会長 屋
や
井
い
鉄雄 氏 (東京工業大学大学院総合理工学研究科 人間環境 ス 専攻 教授) 副会長 小委員会委員長 西浦
しう
定継
さ
氏 (明星大学理工学部 教授)
○本
加山 長 小星副 長 都 建設局長 ま 計画部長 今後 予定
本答申を踏まえ 線引 見直し 係 本 基本的 方針 案を取 ま 後 パブリックコ ン を実施し 今 中 方針を策定す 予定 す
成 月 日
相 模 原 発 表 資 料
問合せ先
都 計画課 - -
■加山市長 右 に答申書を手渡す 屋井会長 中 と西浦副会長 左
■相模原市都市計画審議会 委員名簿
敬称略
氏 所属・選出母体等 備考
1 飯島 泰裕 青山学院大学社会情報学部教授
2 伊藤 彰英 麻 大学生命・環境科学部環境科学科教授 3 加藤 仁美 東海大学工学部教授
4 田淵 多摩美術大学美術学部教授 環境 イン学科長
5 西浦 定継 明星大学理工学部教授 副会長 小委員会委員長 6 屋井 鉄雄 東京工業大学 大学院総合理工学研究科
人間環境 ス 専攻教授 会長 7 山本 国孝 相模原 農業委員会会長
8 小清水 忠雄 相模原 農業協 組合専務理事 9 間 進 相模原商工会議所専務理事 10 大塚 亮一
公益社団法人神奈川県
宅地建物取引業協会常務理事 11 小 沢 耕一 相模原 議会議員
12 金子 豊貴男 相模原 議会議員 13 栄 裕明 相模原 議会議員 14 元 好美 相模原 議会議員
15 越智 繁雄 国土交通省関東地方整備局長 16 常盤 一夫 神奈川県警察本部交通部長 17 田所 昌訓 相模原 自治会連合会会長 18 小室 博 公募委員
19 長谷川 ゆ 公募委員
成 月 日現在
都市計画区域の区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)、いわゆる線引きは、都 市計画法第7条の規定により定めるもので、都市計画の根幹ともいえる制度であり、神奈川 県内では昭和45年の当初決定以来これまで6回にわたり見直しがなされてきている。
平成25年度からは第7回線引き見直しの実施に向けた準備が開始され、相模原市では国 における地方分権改革の動向も踏まえつつ、平成25年10月17日に市長から都市計画審 議会に「第7回線引き全市見直し」に関し、以下の3つの事項について諮問がなされた。
1 都市計画区域及び区域区分のあり方
2 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 3 区域区分等の指定基準
これらの諮問事項について調査・検討を進めていくため、都市計画審議会に小委員会を設 置して9回にわたる議論・検討を行い、その後の本審議会での審議等を経て、今般「第7回 線引き全市見直しに関する提言」をここにとりまとめたものである。
平成27年6月
相模原市都市計画審議会
1
■ まちづくりに関する現況特性について
各都市計画区域(相模原都市計画区域、津久井都市計画区域、相模湖都市計画区域)の 現況特性など、以下の項目について検証を行った。
1 人口
2 開発の動向
3 社会的圏域・生活圏域
(1)通勤・通学先
(2)買い物等の状況 4 産業・土地利用の状況
(1)昼間就業人口、製造品等出荷額の状況等
(2)土地利用現況 5 都市基盤の整備状況 6 自然環境の保全
■ 今後のまちづくりにおける課題
現況特性を踏まえ、相模原市における今後のまちづくりの課題について、次の項目につい て整理を行った。
<社会的要因に起因する課題> 1 人口減少社会への備え 2 集約型都市構造への転換 3 持続可能な都市基盤の形成 4 災害への備え
<相模原市固有の課題>
5 都市部と中山間地域の均衡ある発展 6 広域交流拠点の形成
7 圏央道インターチェンジ周辺の土地利用 8 市街化区域縁辺部の土地利用
9 緑住集落地区の活性化
10 相模原市のさらなる魅力を高めるまちづくり
<現況特性のまとめ>
相模原都市計画区域は、平坦な相模原台地に高密度な市街地が広範囲に形成され、人 口も今後しばらくの間は緩やかに増加することが予測されており、また開発許可件数も 多く、人口や産業の集積により都市計画道路をはじめとする都市基盤も比較的充実して いる。
一方、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、中山間地域の河川沿いの丘陵 地に市街地や集落が限定的に形成され、人口はともに減少傾向であるが、水源地として 良好な自然環境が保全されている。
これらのことから、相模原都市計画区域と津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区 域は対照的な現況特性を有すると言える。
《都市計画区域の現状》
2
■ 都市計画区域及び区域区分のあり方(諮問事項1)
1 これまでの経緯
第6回線引き見直し(平成21年∼22年)では、3つの都市計画区域を1つの線引き都市 計画区域に再編する案が示されたものの、市民の理解をさらに得る必要があったことなどか ら、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は非線引きの都市計画区域として現在に至っ ている。その後、地方分権改革により、(1)区域区分に係る都市計画決定権限の移譲(平成 24年4月施行)(2)指定都市における都市計画区域の区域区分の義務付けの見直し(平成 25年7月施行)(3)都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の策定権限の指定都市への 移譲(平成27年6月施行)等が順次なされ、区域区分のあり方等について、これまで以上に 自らの責任と権限のもと自律的に判断することが可能となっている。
2 都市計画区域のあり方について(その1:可能性のある3案の抽出) 国における制度改正の動向等を踏まえ、想定される3案を抽出し検討した。
3 都市計画区域のあり方について(その2:3案の比較検討)
<A案「1つの線引き都市計画区域に再編」>
◇ 現在の津久井都市計画区域、相模湖都市計画区域において人口要件による市街化区域の基準に該 当するのは、太井地区、中野地区のみとなる見込みである。
◇「相模湖駅周辺地区」や「藤野駅周辺地区」については市街化調整区域となる可能性が高く、駅 周辺の商業地形成等、まちづくり全般について、広範に規制されることになる。
◇「新たな産業創出の拠点の形成や景観の形成」を図ることとされている「金原・串川地区」につ いても市街化調整区域となる可能性が高く、新たな産業拠点整備等を行っていくためには、保留 区域の設定等が必要となる。
◇ 以上のことから、A案では市街化区域要件に該当するか否かが画一的に判断され、地域の成り立 ちやコミュニティ等の固有の事情に配慮したまちづくりを行うことは難しくなる。
<津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は非線引きとしたうえで、 B案「2つの都市計画区域に再編」C案「3つの都市計画区域を存続」>
◇ B案、C案ともに、「相模湖駅周辺地区」や「藤野駅周辺地区」については、既存の用途地域の 指定により、地域の拠点(駅前地区)として商業・サービス機能や交通結節機能を維持するなど、 一定の土地利用の規制・誘導を行うことは可能である。
◇「金原・串川地区」についても、農用地の取り扱いに配慮しつつ、民間開発の導入や新たな用途 地域の指定を行うとともに、地区計画の決定や開発事業基準条例を適用することで、適正な土地 利用の規制・誘導は可能である。
◇ 津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、大部分において自然環境の保全を目的とした法 指定がなされており、また神奈川県土地利用調整条例の適用により一定規模以上の開発行為等 についての制限がなされていることから、引き続き非線引きの都市計画区域とすることで、た だちに自然環境の悪化に結びつくような土地利用が進行する可能性は極めて低いと言える。
3 4 区域区分の検証
津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域における区域 区分(線引き)の必要性について、3 つの視点から検証した。
○ 「市街地拡大の可能性」
○ 「良好な環境を有する市街地の形成」
○ 「緑地等自然的環境の整備又は保全への配慮」
5 都市計画区域及び区域区分のあり方
○ 相模原都市計画区域は、現行どおり線引き都市計画区域とする。
○ 津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、区域区分(線引き)の必要性が低い ことから、B案「2つの都市計画区域に再編(非線引きの都市計画区域を1つに再編)」、 C案「3つの都市計画区域を存続(3都市計画区域を維持)」のいずれかとすることが 望ましいと言える。
◆ いずれの都市計画区域とも区域区分を定める必要性は極めて低い。
◆ これらを総合的に勘案した結果、津久井都市計画区域 及び相模湖都市計画区域を1つの都市計画区域とし、 一体的に整備、開発及び保全を図っていくことが望ま しい。
◇ 津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、今後人口減少や高齢化の一 層の進行が予測される。
◇ 産業の状況や土地利用の現況等の地域特性が似通っている。
◇ 都市計画道路や公共交通などのネットワークの一体的構築の必要性が高い。
◇ ご み処 理や 消 防など の 行政 運営 が 広域連 携 によ りな さ れてき た これ まで の 経緯。
◇ 市街地の集約性がともに低く、すでに直面している人口減少や高齢化の状況 か ら 持 続可 能 な都 市経 営 の ため に 今後 一層 集 約 型都 市 構造 への 取 り 組み の 必要性が高まる見込み。
都市計画区域は「自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量そ の他国土交通省令で定める事項(都市施設)に関する現況及び推移を勘案し て、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区 域」(都市計画法第5条第1項)とされている。
◇ 人口がすでに減少傾向にあり、将来の市街地拡大の可能性が低い。
◇ 現状では人口要件で市街化区域の基準を満たす太井地区、中野地区についても、 平成37年頃市街化区域の要件を満たさなくなることが見込まれている。
3つの視点
以上のことから、本審議会としては、都市計画区域及び区域区分のあり方として、 B案「2つの都市計画区域に再編」が適当であるものと判断した。
6 地域住民への説明
上記の方向性については、平成26年11月に市内各所で市民向けの説明会を開 催し(計6回)、概ね市民の理解を得られたものと判断した。
4
■ 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(整開保)の基本的な考え方(諮問事項2)
相模原市の現況特性の把握や課題の抽出により得られた知見をもとに、次の11項目について基 本的な考え方を示す。
なお、「都市再開発の方針」及び「住宅市街地の開発整備の方針」についても、ここで示した整開 保の基本的な考え方や方向性に準じて取り扱うこととされたい。
2 集約型都市構造への転換
○ 「拡散型都市構造」から「集約型都市構造」への転換に向け、「集約の拠点」の明確化や、 どのような都市機能を集約していくかについて、大規模プロジェクトの動向や各地域の特性 等を考慮しつつ、長期的な視野に立った慎重な検討が必要である。
○ 「集約の拠点」については、「中心市街地」や「地域の拠点」を基本としつつも、地域コミ ュニティ形成の経緯、今後の人口の推移、都市機能の集約の状況や新たな産業形成の状況等 も踏まえた多角的な視点からの検討と都市の特性に合わせた公共交通の充実が必須である。 1 地域の活力と活気あるまちへ
○ 高齢者人口の増加を前提に医療・介護等のサービス量を満たすために 必要な施設の立地や都市のユニバーサルデザインの視点に立った まちづくりの推進に留意が必要である。
○ 駅前地区などの空き店舗については、例えば民間の知見や資金等も 活用した新たな活性化方策を検討するなどして、その解消に努めて いくべきである。
○ 若年層人口増加のために、保育所・放課後児童クラブなど子育て支援施設の立地支援の拡充 や、土地利用の高度化に寄与するインセンティブなども検討していくべきである。
○ 人口減少は様々な行政分野に跨る課題でもあることから社会保障政策や労働政策といった 変動要因などに留意しながら、分野横断的な取り組みを期待したい。
3 持続可能なまちづくり
○ 高齢者人口の増加に伴う医療や介護等の社会保障給付の増大や公共施設の老朽化に伴う改 修等に要する経費の増大、生産年齢人口の減少による市税収入等の減少が見込まれることか ら、集約型都市構造への転換を進めつつ、広域交流拠点形成の取り組み等を進めることで地 域経済を活性化し、持続可能なまちづくりを行うことが必要である。
○ 人口減少社会における都市基盤のあり方等に関する検討や再生エネル ギーの活用等による環境負荷の低いこれからの時代を見据えたまちづ くりについても積極的に推進していくべきである。
4 災害に強いまちづくり
○ 地震災害はもとより、近年頻発する集中豪雨や土砂災害、さらには中山間地域における雪害 などを踏まえた、市民が安全に安心して暮らせるまちづくりを進める必要がある。
○ 近年危惧されている首都直下型地震への備えとして建物の倒壊や 火災延焼等による被害を最小限にとどめる対策として、建築物の 不燃化、耐震化の継続、道路等による延焼遮断帯の整備や火災の 被害拡大が予想されるエリアへの対策なども検討していくべきで ある。
○ 土砂災害警戒区域の指定などに合わせ、必要に応じ適正な土地利用 の規制や誘導も行っていくべきである。
5 都市部と中山間地域、それぞれの地域の個性を生かした均衡ある発展
○ 全ての区域において、人口や産業の集積した都市像を追求するというような、市域全体が単 一の都市像を目指すのではなく、地域が持つ様々な個性や特色を生かすことによる市域全体 の発展や活性化につながる取り組みが必要である。
○ 都市部と水源地域・中山間地域が連携、交流しつつ、市域全体が多様な個性をもった魅力あ る都市像の追求と都市部と水源地域・中山間地域を結ぶ公共交通の充実や道路ネットワーク などのさらなる強化を有機的に進めることなどが重要である。
相模湖駅前地区(商店街)
雪害 緑区串川中学校(26 年 2 月)
5 6 広域交流拠点の形成
○ 周辺都市との連携も視野に入れつつ首都圏南西部地域全体のポテンシャル向上に資するよ うな「広域交流拠点」の形成に努めるべきである。
○ 土地利用の整序と商業・業務等の都市機能の集積について検討していくべきである。
○ 暮らしやすく先進的な市街地形成と多様な交通手段を生かした買い物、 文化、娯楽などの魅力あるまちづくりや、高度な教育、医療機能等の 集積により、エリアに居住する人のみならず、働く人や訪れる人が 交流できるまちづくりを進めていくべきである。
7 新たな産業用地の創出
○ 現在進行しているインターチェンジ周辺の土地区画整理事業等を着実に進めるべきである。
○ 金原・串川地区の整備構想実現は、産業用地の創出のみならず、中山間地域における働く場 の確保という観点からも重要な取り組みである。
○ 単に製造業の生産拠点を誘致するだけではなく、特区等を活用した規制緩和や立地支援など もセットにした取り組みにより、海外に目を向けた企業の誘致にも効果が期待される。
○ 大規模物流施設については、適正な誘導方策について引き続き検討していくべきである。 8 市街化区域縁辺部における適正な土地利用の誘導
○ 市街化区域縁辺部の市街化調整区域では、宅地化の進行している地区が一部に所在している が、道路や下水道などの都市基盤から居住者等が享受するサービス水準は市街化区域と同等 であり、公平性の観点からも市街化区域への編入を基本として対応していくべきである。
○ 市街化区域に編入しようとする場合には「すでに市街化している」という既成の事実だけで はなく、地区計画等により良好な市街地形成が将来的に担保されることが適当である。 9 緑住集落地区の維持・活性化
○ 地域コミュニティの維持・活性化のために、例えば小学校区や自治会などを単位とした「小 さな拠点」を形成し、生活に必要なサービス機能の集約と、これら拠点間の有機的な連携を 図っていく必要がある。
○ 市街化調整区域の緑住集落地区については、例えば地区計画や優良 田園住宅制度等の活用や公共交通ネットワークの維持・充実による 活性化を図っていくべきである。
○ 非線引き都市計画区域の緑住集落地区については、地区外からの転居 者向け住宅施策や空き家バンク制度の活用、二地域居住等への受け皿
づくり等を行うとともに、公共交通ネットワークの維持・充実を図っていくべきである。 10 豊かな自然環境の保全
○ 近郊緑地特別保全地区や、相模川及び流域周辺に残された自然環境は引き続き保全を図ると ともに、大規模開発等に伴う都市の緑化や市内( 産) 樹木の活用など「緑の循環」の形成など を通じ、生活の身近なところでも自然を感じることが出来る都市空間の形成が必要である。
○ 生産緑地地区が、火災の延焼防止などの防災機能や、良好な都市環境の形成に一定の役割を 果たしていることにも留意し、引き続き適切な対応を求めたい。
○ 水源地域は、豊かな自然環境の適切な保全はもとより、急峻な地形では、森林が重要な防災 機能の一翼を担っていることにも留意し、保全の必要性を強く認識すべきである。
○ 自然環境を活用したレジャー施設や芸術と農村環境が共存した田園住宅地域の地域特性を 生かした取り組みなど、民間活力も生かした魅力あふれるまちづくりを進めるべきである。 11 相模原市のさらなる魅力を高めるまちづくり
○ 水源地域などをはじめ、様々な市の個性を一層生かすことで、より多くの人に「住みたい」
「訪れたい」と思われる都市の魅力を高めるまちづくりを行っていく必要がある。
○ 都市機能のさらなる集積や公共交通の充実による生活利便性の向上はもとより、神奈川県の 水がめである水源地域の恵まれた自然や観光資源等を活用したまちづくりや具体的なイメ ージを発信していくことで、さらに市の魅力が増すことにつながるものと考える。
○ 産官学の連携による住みやすい地域づくりや地域全体の活性化など、ハード、ソフト両面に おいて市の魅力を高める取り組みを引き続き推進していくことに期待したい。
6
■ 区域区分等の指定基準 (諮問事項3)
2 市街化調整区域への編入
○ 農地における営農環境の保全や、緑地等の自然環境の保全等を図る必要がある場合は、市街 化調整区域への編入を検討すべきである。
○ 具体的には、現に市街化されておらず、また計画的な市街地整備の見通しもない区域の農地 や山林で、既決定の市街化調整区域に接し、かつ周辺市街化区域の都市的市街地整備を図る 上で支障とならない場合等には、当該農地や山林を都市における不可欠な自然環境と位置付 け、その保全に努めるべきである。
3 市街化区域への編入を保留する場合(保留フレーム方式)
○ 保留フレーム方式については、事業計画の熟度や、地域の実情に即した運用が必要であり、
「特定保留」については、新市街地の市街化区域編入基準に該当し、原則として市街化区域 に接するまとまりのある区域で、すでに計画的な市街地整備の検討が行われ、地権者等の概 ねの同意が得られている場合等について、その設定を行うべきである。
○ 「一般保留」の設定については、新市街地の場合、土地利用の方向性や事業等に対する地権 者同意の状況に応じた対応を行うべきである。また、市街化がすでに進んでいる区域におい ては、市街化区域編入基準に該当し、かつ当該区域の内外における環境保全等の観点から地 権者等の同意の状況に応じた、例えば地区計画の策定などの対応を行うことが望ましい。 1 市街化区域への編入
(1) すでに市街化が進行している地区の基準
○ 住居系、工業系を問わず都市的土地利用が進んだ市街化区域縁辺部の市街化調整区域につい ては、基本的には将来人口密度や周辺地区との調和のとれたきめ細やかな見直しを行ってい くべきである。
○ 検討にあたっては、市街化区域に接する区域で、かつ国勢調査により人口集中地区となって いる区域等を基本とし、周辺の市街化区域の市街地整備の状況と比較検討するなどして市街 化区域への編入の可否を慎重に判断すべきである。
○ 単に市街化区域の外形的要件により市街化区域への 編入の可否を判断することは適当でなく、良好な 住環境や工場等の操業環境等の保全のために地区 計画の決定等を行うことが重要である。
(2)新市街地の基準
○ 市街化区域に接する区域のうち、土地区画整理事業や開発行為などにより市街地整備が行わ れることが確実な場合には計画的に市街化区域への編入を行っていくべきである。
○ 適正かつ合理的な土地利用の実現等に効果があると認められる場合には、住宅用地は駅等の 拠点周辺地域、また工業用地はインターチェンジ周辺の幹線道路沿道地域などにおいて計画 的な市街地整備が行われることが確実である場合などにも、同様に計画的な市街化区域編入 を行っていくべきである。
○ インターチェンジ周辺等で市街化区域に接していない市街化調整区域( 飛び地) であっても、 土地区画整理事業や開発行為等により計画的な市街地整備が確実に行われる区域等や、すで に開発整備された区域において地区計画により周辺環境の保全等が将来にわたり担保され る場合等で、ある程度の規模を有するような区域についても、同様に市街化区域への編入を 検討すべきである。
7
+
■ 今後の相模原市のまちづくりにおける重点的な取り組み
これまでの議論・検討を踏まえ、最後に今後の相模原市におけるまちづくりの重点的な取り組み について本審議会の見解を申し添えたい。
1 都市部と中山間地域の特性を生かした一体的なまちづくり 相模原市では、リニア中央新幹線神奈川県駅が橋本駅周辺に 設置されることや、相模総合補給廠の一部返還地におけるまち づくりなどの大規模プロジェクトが進捗しつつあり、一方で 水源地として豊かな自然環境を有する反面、地域によっては人口 減少期がすでに到来している。
こうした地域ごとの多様な特性や資源を、地域の成り立ちやこれまでの歴史にも配慮した上 で「長所」や「魅力」に変化させ、地域が様々な個性を持つ多様な「まち」として発展し、そ の上で各地域を結ぶ道路網や公共交通網の維持や充実により各地域が重層的に連携、交流し、 結果として市域全体が発展していくような取り組みを求めたい。
3 計画的かつ適正な土地利用誘導によるまちづくりの誘導と地域コミュニティの維持
市街化区域縁辺部の市街化調整区域の一部で、宅地化や工場等の立地が周辺の市街化区域と 遜色のない程度に進んでいる地域が所在しているが、他の市街化区域との公平性の観点からも 市街化区域への編入を基本とした取り組みを行っていくべきである。
この際、地区内の住環境等の保全や周辺地域との調和といった観点からも、地区計画の策定 等により地域住民等が将来にわたり、地域のまちづくりについて意識を共有する必要がある。
また、緑住集落地区については、地域の維持や活性化のため、小さな拠点として商店や診療 所等、日常生活に不可欠な施設や地域活動の場を歩いて暮らせる範囲に集約し、周辺集落と公 共交通等で繋ぐことで、人々が集い交流する集落再生に努めるべきである。
4 地域の特性を踏まえた災害に強いまちづくり
相模原市では、震災時の火災延焼被害の防止や建物倒壊被害の最小化、また大雨による浸水 被害の軽減等の対策が既に進められているが、東日本大震災以降の防災意識の高まり等もあ り、引き続き対策を進めることが必要である。
また、相模原市には都市部や水源地域・中山間地域が存在しており、こうした地域の特性等 を踏まえたきめ細やかな「防災」「減災」といった「災害への備え」を進める必要がある。
一方で、相模原市においては住民主体により地域ごとに防災計画を策定する取り組みが始ま っているが、こうした取り組みは住民が自らを地域の防災対策の主たる担い手であると認識す ることにもつながることが期待される。
これら住民と行政が防災対策の担い手の両輪となって、互いに連携しながら防災対策を進め ることで、災害に強いまちづくりを一層推進していくべきである。
2 持続可能な都市経営に向けた集約型都市構造への転換と広域的な開発インパクトを生かし た魅力あふれる質の高いまちづくり
人口減少社会の到来を見据え、都市の持続的な発展を担保していくためには、地域の中心と なるエリアへの都市機能の集約化、公共施設の再編、医療・介護施設の拡充と拠点となる市街 地への集約、公共交通の維持・活性化など「集約型都市構造」への転換を進めるとともに、現 在進行している広域交流拠点形成に向けた取り組みやインターチェンジ周辺のまちづくりを 着実に進めることで、「人や企業に選ばれるまちづくり」を引き続き推進していくことが重要 である。
また、昨今では、様々な都市で従来の枠組みにとらわれずに、 大胆に民間の知見や資金を活用してエリアマネジメントなど個性 豊かなまちづくりを行おうとする取り組みが進められており、今後 の大規模プロジェクトにおいても、行政の役割を再定義することも 含め、オリジナリティー溢れる取り組みを行っていくべきである。
第7回線引き全市見直しに関する
提 言
相模原市都市計画審議会
平成27年6月
目 次
ページ
・ はじめに 1
・ まちづくりに関する現況特性について 2
・ 今後のまちづくりにおける課題 5
・ 都市計画区域及び区域区分のあり方(諮問事項1) 8
・ 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の基本的な考え方 13
(諮問事項2)
・ 区域区分等の指定基準(諮問事項3) 22
・ 今後の相模原市のまちづくりにおける重点的な取り組み 26
1 はじめに
都市計画区域の区域区分(市街化区域と市街化調整区域の区分)、いわゆる線 引きは、都市計画法第7条の規定により定めるもので、都市計画の根幹ともい える制度であり、神奈川県内では昭和45年の当初決定以来これまで6回にわ たり見直しがなされてきている。
平成25年度からは第7回線引き見直しの実施に向けた準備が開始され、相 模 原 市 で は 国 に お け る 地 方 分 権 改 革 の 動 向 も 踏 ま え つ つ 、 平 成 2 5 年 1 0 月 17日に市長から都市計画審議会(以下「本審議会」という。)に「第7回線引 き全市見直し」に関し、以下の3つの事項について諮問がなされた。
1 都市計画区域及び区域区分のあり方
2 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針 3 区域区分等の指定基準
これらの諮問事項について調査・検討を進めていくため、本審議会に小委員 会を設置して9回にわたる議論・検討を行い、その後の本審議会での審議等を 経て、今般「第7回線引き全市見直しに関する提言」をここにとりまとめたも のである。
相模原市では、平成18年から19年にかけての旧津久井4町との合併を経 て市域が大幅に拡大し、それまでの都市化が進んだ首都圏南西部地域の内陸工 業都市としての一面や、東京や横浜のベッドタウンとしての一面に加え、豊か な自然環境を有する中山間地域も市域の一部となるなど、これまで以上に様々 な個性を有する複合的な都市に変貌を遂げてきており、また、リニア中央新幹 線神奈川県駅の設置や、相模総合補給廠の一部返還地におけるまちづくりなど、 市域のみならず周辺エリアにも大きな影響を与える大規模プロジェクトが進捗 しつつある一方で、新たに市域となった中山間地域では、すでに人口減少が顕 著となっている地区があるなど、個々の地域の状況や課題も様々である。
本審議会としては、相模原市がこれら大規模プロジェクトや地域の課題の解 決に着実に取り組み、新・相模原市総合計画に示す都市像である「人・自然・ 産業が共生する活力あるさがみはら」を実現することで、首都圏南西部地域に おける広域交流拠点都市として、一層発展することに期待するものである。
相模原市都市計画審議会
2 まちづくりに関する現況特性について
相模原市における今後のまちづくり全般において広く考察を行うため、市の 現状や特性についての整理を行った。主な内容は以下のとおりである。
1 人口
相模原市における人口の推移について、まず相模原都市計画区域については、 平成33年頃までをピークに今後もしばらくは人口が増加する見込みである。
一方で津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域については、いずれも人 口減少期が到来し、今後もこの状況が続いていくことが想定されている。
また、人口の高齢化については、今後津久井都市計画区域及び相模湖都市計 画区域において著しく進行する見込みで、平成37年における高齢者人口比率
(65歳以上人口が総人口に占める割合)は相模原都市計画区域が約27%で あるのに対し、津久井都市計画区域では約42%、相模湖都市計画区域では約 43%となることが予測されている。(平成22年における高齢者人口比率は、 相模原都市計画区域約19%、津久井都市計画区域約23%、相模湖都市計画 区域約27%である。)
さらに、可住地人口密度については、相模原都市計画区域の市街化区域では 1ヘクタールあたり200人以上の地区が増加しているが、津久井都市計画区 域及び相模湖都市計画区域では、用途地域の指定、無指定を問わず低下傾向で ある。(なお、相模原都市計画区域の市街化調整区域の人口は横ばいの状況であ
る。) (市調べ)
2 開発の動向
開発許可件数について、ここ数年は相模原都市計画区域では年間100件前 後、津久井都市計画区域では年間3件〜12件程度、相模湖都市計画区域では 年間0件〜3件程度で推移している。
また、平成18年度から22年度における1ヘクタール以上の大規模開発の 件数は、相模原都市計画区域において7件であったのに対し、津久井都市計画 区域及び相模湖都市計画区域においては、当該期間においていずれもこうした 大規模開発の事例は無いが、これは、非線引き都市計画区域の用途地域の指定 のない区域において市街化を抑制することとしている神奈川県土地利用調整条 例により、大規模な開発行為が抑制されている状況にあるためと考えられる。
3 3 社会的圏域・生活圏域
(1)通勤・通学先
相模原都市計画区域の居住者では、区域内での通勤・通学が約54%であり、 区域外への通勤・通学先としては、主に東京都特別区部、横浜市、町田市とな っている。
次 に 津 久 井 都 市 計 画 区 域 の 居 住 者 に つ い て は 、 区 域 内 で の 通 勤 ・ 通 学 が 約 39%であり、区域外への通勤・通学先としては、主に相模原都市計画区域、 八王子市となっており、また相模湖都市計画区域では、区域内での通勤・通学 が約42%で、区域外への通勤・通学先としては、主に八王子市、相模原都市 計画区域、東京都特別区部、上野原市となっている。 (平成17年国勢調査)
(2)買い物等の状況
相模原都市計画区域において、日用品の買い物等で最もよく利用される商業 地域は橋本駅周辺や相模大野駅周辺、古淵地区などとなっており、また衣料品 や貴金属、家庭用電化製品等の買い回り品は、町田市内で買い物をすることも 多い。
津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域においては、日用品の買い物等 はそれぞれの居住地区に至近の店舗を利用することが多く、また買い回り品に ついては、橋本駅周辺や、八王子市、上野原市の大型商業施設を利用すること
が多い。 (市調べ)
4 産業・土地利用の状況
(1)昼間就業人口、製造品等出荷額の状況等
昼間就業人口は、相模原都市計画区域は約23万9千人で、津久井都市計画 区域が約9千人、相模湖都市計画区域が約7千人である。(平成17年国勢調査)
また、製造品等出荷額は相模原都市計画区域が約1兆4千億円であるのに対 し、津久井都市計画区域が約450億円、相模湖都市計画区域が約177億円
である。 (平成17年工業統計調査)
(2)土地利用現況
相模原都市計画区域では、都市的土地利用が約72%、自然的土地利用が約 28%となっており、主要な駅周辺や幹線道路沿道において商業系土地利用の 集積がみられるとともに、橋本地区や国道16号、国道129号沿道において 工業系土地利用の集積もみられる。
これに対し津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、ともに自然的土 地利用が80%を超えている一方で、都市的土地利用は20%以下で、自然公
4
園地域、自然環境保全地域などの指定により自然環境の保全が図られている。 このうち津久井都市計画区域については、国道413号沿道に商業系土地利 用が点在するとともに、金原地区の準工業地域では工業系の土地利用がなされ ている。
また、相模湖都市計画区域については、鉄道駅周辺や国道20号沿道、相模 湖畔において商業系土地利用が点在し、また大規模なレジャー施設も立地して いる。
5 都市基盤の整備状況
都市計画道路について、相模原都市計画区域では市街化区域内を中心にネッ トワークされ、概ね整備が完了している。
また津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域については、ともに計画路 線が少ないものの、用途地域が指定されている区域においては、概ね整備が完 了している。
6 自然環境の保全
相模原都市計画区域では市街化調整区域に農業振興地域や特別緑地保全地区 等が指定され、また津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、用途地域 の指定のない区域に、農業振興地域、森林地域、自然公園地域、自然環境保全 地域が広範に指定されている。
<現況特性のまとめ>
相模原都市計画区域は、平坦な相模原台地に高密度な市街地が広範囲に形成 され、人口も今後しばらくの間は緩やかに増加することが予測されており、ま た開発許可件数も多く、人口や産業の集積により都市計画道路をはじめとする 都市基盤も比較的充実している。
一方、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、中山間地域の河川沿 いの丘陵地に市街地や集落が限定的に形成され、人口はともに減少傾向である が、水源地として良好な自然環境が保全されている。
これらのことから、相模原都市計画区域と津久井都市計画区域及び相模湖都 市計画区域は対照的な現況特性を有すると言える。
5 今後のまちづくりにおける課題
現況特性を踏まえ、相模原市における今後のまちづくりの課題について、次 のとおり整理を行った。
<社会的要因に起因する課題> 1 人口減少社会への備え
国全体が人口減少期を迎えるなか、相模原市でも平成31年頃をピークに人 口減少期が到来する見込みである。
このうち相模原都市計画区域では、現在は緩やかに人口が増加してはいるも のの平成33年頃をピークに人口減少期が到来する見込みである。
また、都市計画区域の全般において空き家が増加傾向にあり、地域によって は空き家に起因する課題が顕在化しつつある。
一方で、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域においてはすでに人口 減少期が到来しており、駅前地区の活性化や地域公共交通網の維持などの課題 が顕在化している。
2 集約型都市構造への転換
少子高齢化の一層の進行に伴い、都市の特性に応じた多様な都市機能の集積 により、多くの市民が暮らしやすい都市構造への転換を図ることや、地球温暖 化の原因とされる二酸化炭素等の「温室効果ガス」の削減が地球規模での課題 となる中で、人や物が効率的に移動できるような「集約型都市構造」への転換 が国全体として求められている。
これら国全体としての要因に加え、相模原市においては、まず相模原都市計 画区域は、東京や横浜のベッドタウンとして、高度経済成長期に区域の外縁部 を通る鉄道の駅を起点として市街地が郊外に急速に拡がったことや、昭和30 年の工場誘致条例の制定を機に、市内への工場等の進出が急速に進み、こうし た工場へ就労する者等の住宅建設が市内各地で相次いだことなどの経緯から、 市街地が郊外に拡散する傾向にあり、また、津久井都市計画区域及び相模湖都 市計画区域では、河川流域等に広がる緩やかな丘陵地に市街地や集落がそもそ も点在して形成されている。
こうした状況から、市域における人口減少社会の到来が目前に迫るなか、市 全体として集約型都市構造への転換に向けた検討を開始する時期が迫りつつあ る。
6 3 持続可能な都市基盤の形成
相模原市における人口減少は、その初期においては高齢者人口のさらなる増 加や生産年齢人口の減少が想定されており、高齢化の一層の進行により、医療・ 介護などの社会保障給付の増大、さらには昭和40年代後半から50年代初め にかけて整備した学校などの公共施設の改修及び更新の費用が今後増大してい くことが想定される中で、持続可能な都市経営の観点からどのような取り組み を行っていくべきか長期的な視点に立った検討が必要である。
4 災害への備え
阪神・淡路大震災、東日本大震災での甚大な被害や、また、最近では地震だ けでなく土砂災害や、都市部でのいわゆるゲリラ豪雨、中山間地域での雪害な ど、様々な災害リスクに対する「備え」を行うことが求められているが、災害 に強いまちづくりのため、相模原市における地域の特性等を踏まえつつ、どの ような取り組みを行っていくべきか検討が必要である。
<相模原市固有の課題>
5 都市部と中山間地域の均衡ある発展
相模原市には、人口や産業が集積し都市基盤の整備も充実している相模原都 市計画区域と、水源地域として豊かな自然環境を有している津久井都市計画区 域及び相模湖都市計画区域が存在しているが、これら対照的な現況特性を有す る区域を1つの市域として抱える相模原市において、それぞれの区域の個性を 生かしつつ市域全体としていかに発展していくのか検討が必要である。
6 広域交流拠点の形成
相模原市では、リニア中央新幹線神奈川県駅が橋本駅周辺に設置されること や、相模原駅前に広がる相模総合補給廠の一部返還地におけるまちづくり、さ らには小田急多摩線の延伸計画など、市域のみならず首都圏南西部地域全体に インパクトを与える大規模プロジェクトが進捗しつつある。
これらの事業の効果を最大限に生かし、これまでの相模原市を特徴づけてい た「内陸工業都市」や「東京や横浜のベッドタウン」という性格に加え、首都 圏南西部地域における広域交流拠点都市のさらなる形成を目指していくことが、 市域のみならず首都圏南西部地域全体の発展のために求められている。
7 圏央道インターチェンジ周辺の土地利用
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、首都圏の都心から概ね半径40キロ から60キロ位置を環状に結ぶ道路で、相模原市内では相模原インターチェン
7
ジ及び相模原愛川インターチェンジが設置され、これらのインターチェンジ周 辺ではすでに大型のロジスティクスセンターの開設が相次ぐなど、物流施設を 中心とした開発需要が高まっている。
一方で、市域全体では工場の市外への流出が続いていることなど「市外へ流 出されない」方策を考える必要があることや、インターチェンジ周辺等を中心 に産業用地の創出が求められていることなどを踏まえた土地利用方策の検討が 必要である。
8 市街化区域縁辺部の土地利用
相模原都市計画区域では、市街化区域縁辺部の市街化調整区域において、旧 来の「既存宅地制度」等により宅地化が進展している地域が一部に所在してい るが、こうした地域においては、道路や下水道などの都市基盤の整備も進んで いるケースも多く、公平性の観点からも市街化区域への編入を基本とした検討 が必要である。
9 緑住集落地区の活性化
緑住集落地区とは、都市計画マスタープランにおいて「良好な自然環境や営 農環境との調和を図りつつ、地域コミュニティの維持など、地域の実情に応じ た秩序ある適切な土地利用を誘導」する地区として位置づけられているもので あるが、人口が減少傾向にある緑住集落地区も多いことから、地域コミュニテ ィの維持や活性化策についての検討が必要である。
10 相模原市のさらなる魅力を高めるまちづくり
相模原市はこれまで国内でも有数の内陸工業都市として、また東京や横浜の ベッドタウンとして発展を続けてきたが、旧津久井4町との合併を経て豊かな 水源地域もその市域の一部となった。
また、現在市内には7つの大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模 原キャンパスが立地しているほか、年間100万人以上が来訪するレジャー施 設をはじめ活力ある民間企業も多く立地していることなど、多様な人的物的資 源が存在している。
これら大学や研究機関、民間企業やNPOなど地域の様々な「資源」を有機 的に活用することや、リニア中央新幹線神奈川県駅設置により交通利便性が向 上することの効果などを生かしつつ、市域全体の魅力を高めることで、「人や企 業に選ばれるまちづくり」を進めていくことが求められている。
8
都市計画区域及び区域区分のあり方(諮問事項1)
1 これまでの経緯
相模原市は平成18年から19年にかけて旧津久井4町との合併を経て現在 の 市 域 を 形 成 し て い る が 、 前 回 の 線 引 き 見 直 し ( 第 6 回 線 引 き 見 直 し : 平 成 21年〜22年)では、3つの都市計画区域を1つの線引き都市計画区域に再 編する案が示されたものの、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域の住 民をはじめ、市民の方々の理解をさらに得る必要があったことなどにより、相 模原都市計画区域は線引き都市計画区域、津久井都市計画区域及び相模湖都市 計画区域は非線引きの都市計画区域として、現在に至っている。
その後、国における地方分権改革の一環として、(1)区域区分に係る決定権 限の移譲(平成24年4月施行)(2)指定都市における都市計画区域の区域区 分の義務付けの見直し(平成25年7月施行)(3)都市計画区域の整備、開発 及び保全の方針の策定権限の指定都市への移譲(平成27年6月施行)等の権 限移譲が順次なされ、この結果相模原市においては、都市計画区域における区 域区分のあり方等について、これまで以上に自らの責任と権限のもと自律的に 判断することが可能となっている。
2 都市計画区域のあり方について(その1:可能性のある3案の抽出) これら国における制度改正の動向や、3つの都市計画区域の現況特性の比較、 並びに小委員会の現地視察や地域住民との意見交換等も踏まえつつ、本市にお ける都市計画区域の方向性について、想定される次の3案(A案、B案、C案) について検討した。
A案「1 つの都市計画区域に再編」
9 B案「2つの都市計画区域に再編」
C案「現状の3つの都市計画区域を存続」
3 都市計画区域のあり方について(その2:3案の比較検討)
<A案「1つの都市計画区域に再編」>
現在の相模原都市計画区域、津久井都市計画区域、相模湖都市計画区域の3 つの都市計画区域を1つに再編し、線引き都市計画区域とするものである。
この場合、現在の津久井都市計画区域、相模湖都市計画区域において人口要 件による市街化区域の基準に該当するのは、太井地区、中野地区(ともに現在 の津久井都市計画区域)のみとなる見込みであり、その他は市街化調整区域と なる可能性が高い。
また、現在の都市計画マスタープランにおいて「駅周辺の地域の拠点として
10
の都市機能や交通機能の充実と景観の形成」を図る地区とされている「相模湖 駅周辺地区」及び「藤野駅周辺地区」(ともに相模湖都市計画区域)のいずれも 市街化調整区域となる可能性が高く、この結果、地域の土地利用は開発行為も 含め原則として不可となり、駅周辺にふさわしい商業地を形成すること等を含 むまちづくり全般について、広範に規制されることになる。
さらに、「新たな産業創出の拠点の形成や景観の形成」を図ることとされてい る「金原・串川地区」(津久井都市計画区域)についても同様に、人口要件から 市街化調整区域となる可能性が高く、新たな産業拠点にふさわしい整備等を行 っていくためには、保留区域の設定等が必要となる。
以上のことから、A案では、個々の地域において市街化区域要件に該当する か否かが画一的に判断され、地域の成り立ちやコミュニティ等の固有の事情に 配慮したまちづくりを行うことは難しくなり、地域の人口減少に一層の拍車が かかる恐れさえあると言える。
<B案「2つの都市計画区域に再編」C案「3つの都市計画区域を存続」> B案は、現在の相模原都市計画区域(線引き)、津久井都市計画区域(非線引 き)、相模湖都市計画区域(非線引き)のうち、非線引き都市計画区域である津 久井都市計画区域と相模湖都市計画区域を1つの都市計画区域に再編し、市域 を既存の相模原都市計画区域と、再編した非線引きの都市計画区域の2つとす るものであり、C案は、現在の3つの都市計画区域をそのまま維持するもので ある。
B案、C案ともに、まず「相模湖駅周辺地区」及び「藤野駅周辺地区」につ いては、既存の用途地域を引き続き指定することなどにより、地域の拠点(駅 前地区)にふさわしい商業・サービス機能や交通結節機能を維持することなど、 一定の土地利用の規制・誘導を行うことは可能である。
また、「金原・串川地区」についても、新たな産業拠点の創出にふさわしい整 備を行うため、農用地の取り扱いに配慮しつつ、民間開発の導入や新たな用途 地域の指定を行うとともに、地区計画の決定や開発事業基準条例を適用するこ とで、適正な土地利用の規制・誘導を行うことは可能である。
さらに、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、水源地域として引 き続き自然環境の保全を図っていくことが求められているエリアであるが、現 状でもすでに自然的土地利用がなされている区域の大部分において保全系の法 指定がされていることに加え、神奈川県土地利用調整条例の適用により、一定 規模以上の開発行為等についての制限もされていることから、引き続き非線引 きの都市計画区域とすることで、ただちに自然環境の悪化に結びつくような土 地利用が進行する可能性は極めて低いと言える。
11 4 区域区分の検証
区域区分(線引き)の必要性については、津久井都市計画区域及び相模湖都 市計画区域における「市街地の拡大の可能性」、「良好な環境を有する市街地の 形成」、「緑地等自然的環境の整備又は保全への配慮」の3つの視点からの検証 を行い、その結果「人口がすでに減少傾向にあること」や、将来の「市街地拡 大の可能性が低い」こと等から、いずれの都市計画区域とも区域区分を定める 必要性は極めて低いものと判断した。
なお、現状では人口要件で市街化区域の基準を満たす津久井都市計画区域の 太井地区、中野地区についても、人口減少の進行により、平成37年頃市街化 区域の要件を満たさなくなることが見込まれている。
5 都市計画区域及び区域区分のあり方
以上の検証から、相模原市における「都市計画区域のあり方」及び「区域区 分の方向性」としては、まず津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域とも に区域区分(線引き)の必要性が低いことから、B案「2つの都市計画区域に 再編(非線引きの都市計画区域を1つに再編)」、C案「3つの都市計画区域を 存続(3都市計画区域を維持)」のいずれかとすることが望ましいと言える。
その上で、B案、C案のいずれをもって適当と判断するかについては、まず 旧津久井町、旧相模湖町及び旧藤野町の区域が「津久井都市計画区域」と「相 模湖都市計画区域」等に区分されてきたことは、これまでの地域の成り立ちや 歴史的な経緯などに配慮し指定されてきたものであり、そこに一定の妥当性は あったものと考えられる。
しかし一方で、そもそも都市計画区域は、「自然的及び社会的条件並びに人口、 土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項(都市施設)に関する現況及 び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する 必要がある区域(都市計画法第5条第1項)」とされているものであり、このこ とから、本審議会としては、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域は、 今後人口減少や高齢化の一層の進行が予測されることや、産業の状況や土地利 用の現況等の地域特性が似通っていること、都市計画道路や公共交通などのネ ットワークの一体的構築の必要性が高いこと、また、ごみ処理や消防などの行 政運営が広域連携によりなされてきたこれまでの経緯、さらには市街地の集約 性がともに低く、すでに直面している人口減少や高齢化の状況から、持続可能 な都市経営のため今後一層集約型都市構造への取り組みの必要性がともに高ま る見込みであることなど、これらを総合的に勘案した結果、津久井都市計画区 域及び相模湖都市計画区域を1つの都市計画区域とし、一体的に整備、開発及 び保全を図っていくことが望ましいと判断した。
12
また、この方針については都市計画マスタープランにより示されている「土 地利用の方針」とも合致しているものであることを申し添える。
6 地域住民への説明
上記の方向性については、平成26年11月に市内各所で市民向けの説明会 を開催した(合計6回)。説明会で寄せられた主な意見を以下に記す。
・ 津久井都市計画区域と相模湖都市計画区域を再編し、1 つの非線引きの都市 計画区域とする方向性に賛成である。
・ 鉄道駅周辺地区のまちづくりと人口減少への対策が今後の大きな課題。
・ 相模湖地区では、湖周辺の急峻な斜面地にまで用途地域が指定されている が、検討すべきではないのか。
・ 津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域について、非線引きの都市計 画区域とすることには賛成であるが、都市計画区域については、現状の2つ の非線引き都市計画区域をそのまま維持することはできないのか。
説明会においては、津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域を1つの非 線引き都市計画区域に再編することに関し、その必要性等についての質問が一 部で寄せられたものの、上記B案「2つの都市計画区域に再編」に対し明確に 反対とする意見はなく、市民の理解を得られたものと判断した。
以上のことから、本審議会としては、都市計画区域及び区域区分のあり方と してB案「2つの都市計画区域に再編」が適当であるものと判断した。
13
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の基本的な考え方(諮問事項2)
「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」(以下「整開保」という。)は、 都市計画法第6条の2に基づき、都市の人口・産業の動向を踏まえその将来像 を示す都市計画の基本的な方針である。
整開保については、これまで都市計画区域ごとに都道府県が定めることとさ れてきたが、国の地方分権改革の一環として、いわゆる「第4次一括法」の施 行により、1つの指定都市の区域内のみに係る整開保の策定権限が指定都市に 移譲されたことから、相模原市内に存する都市計画区域に係る整開保について は、全て相模原市が策定することとなった(一括法の施行は平成27年6月)。
第7回線引き見直しにおける整開保(目標年次:平成37年)の策定に関し、 相模原市の現況特性の把握や課題の抽出により得られた知見をもとに、これよ り次の11項目について基本的な考え方(方向性)を示すが、これまですでに 示してきたとおり、相模原市には、現況特性が対照的な「相模原都市計画区域」 と「津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域」が存在しており、こうした 対照的な地域の特色を生かしつつ、市域全体が持続的に発展していくためには、 それぞれの地域の特色について、市民一人ひとりが「自らの生活する都市の個 性」として関心を持つとともに、相模原市がその総合計画に掲げる「人・自然・ 産業が共生する活力あるさがみはら」の実現に向け、市民全体がこのビジョン を「自らの生活する都市の目指す都市像」として、共感・共有できるような取 り組みも重要である。
また、昨今では、科学技術、とりわけ情報通信技術の目覚ましい発展により、 従来にはない形での情報の伝達や、人と人とのコミュニケーション等が図られ るようになっており、こうした技術革新等の成果を活用しながら、地域コミュ ニティの維持や活性化、人や物の移動の効率化を進めること等にも留意すべき である。
なお、「都市再開発の方針」及び「住宅市街地の開発整備の方針」についても、 ここで示した整開保の基本的な考え方や方向性に準じて取り扱うこととされた い。
1 地域の活力と活気あるまちへ
相模原市ではすでに津久井都市計画区域及び相模湖都市計画区域において人 口減少期を迎えているほか、現在までのところ人口が微増している相模原都市 計画区域についても、平成33年に人口のピークを迎えることが想定され、そ の後はゆるやかに減少していくことが見込まれている。
また、市域全体で空き家が増加傾向にあることや津久井都市計画区域及び相
14
模湖都市計画区域における駅前地区などの空き店舗の問題など、今後の人口減 少期の到来を予兆させるような事象も見受けられる。
こうした状況から、相模原市において将来にわたり「地域の活力と活気ある まちづくり」を行っていくには、高齢者人口のさらなる増加を前提とし、これ に見合う医療・介護等のサービス量を満たすために必要な施設をどのように立 地させていくか、さらにはユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを 推進していくこと等についても留意していく必要がある。
また、駅前地区などの空き店舗については、例えば民間の知見や資金等も活 用した新たな活性化方策を検討するなどして、その解消に努めていくべきであ る。
一方で、相模原市の将来を担う若年層人口を増加させていくためにも、子育 て世代への支援として民間の保育所や放課後児童クラブなどの立地にかかる財 政的な支援の一層の拡充や、土地利用の高度化に寄与するインセンティブなど についても検討していくべきである。
人口減少は国全体における課題であり、また様々な行政分野に跨る課題でも ある一方で、今後の社会保障政策や労働政策等の動向からも大きな影響を受け るものであるが、こうした様々な変動要因にも留意しながら、市全体として人 口減少に対する問題意識を共有しつつ、分野横断的な取り組みにより人口減少 対策に着実に取り組むよう期待したい。
2 集約型都市構造への転換
相模原市においては、平成22年に策定した都市計画マスタープランで「拡 散型都市構造」から「集約型都市構造」への転換が必要であることとされてい るが、都市構造をこれまでの拡散型から集約型に転換するにあたっては、「集約 の拠点」の明確化とともに、その拠点にどのような都市機能を集約していくか という点等について、大規模プロジェクトの動向や各地域の特性等にも考慮し つつ、長期的な視野に立った慎重な検討が必要である。
また、都市計画マスタープランでは、橋本、相模原、相模大野の各駅周辺を
「中心市街地」として、東林間、小田急相模原、古淵、淵野辺、上溝、相模湖、 藤野の各駅周辺及び城山地区、中野地区を「地域の拠点」としてそれぞれ位置 付けているが、集約型都市構造への転換にあたり検討していく「集約の拠点」 については、これら「中心市街地」や「地域の拠点」などを基本としつつも、 地域コミュニティ形成のこれまでの経緯や、今後の人口の推移、都市機能の集 約の状況や新たな産業拠点の形成の状況等も踏まえた多角的な視点からの検討 も必要である。
さらに、集約型都市構造への転換にあたっては、新しい交通システムの導入
15
など都市の特性に合わせた公共交通の充実が必須であるが、相模原市ではすで に交通不便地区等においてコミュニティバスや乗合タクシー等が導入されてお り、こうした事例の検証により、都市の性格に合わせた今後の公共交通のあり 方について検討していくべきである。
なお、相模原都市計画区域では、平坦な市街地が広範に広がるという地形的 な特性等から自転車の交通分担率が比較的高く、こうした特性を生かし、環境 負荷の少ない自転車が一層活用されるような取り組みについても期待したい。
3 持続可能なまちづくり
相模原市では、高齢者人口の増加に伴い、今後、医療や介護等の社会保障給 付の増大が見込まれ、また公共施設についても、延べ床面積ベースで昭和40 年代後半から50年代初めが施設整備のピークであることから、今後はこれら の時期に整備した施設を中心に老朽化に伴う改修や修繕等に要する経費が増大 する可能性も高い。
一方で、少子高齢化のもとでは、生産年齢人口の減少により市税収入等の減 少も見込まれることから、上記2で示した集約型都市構造への転換を進めつつ、 現在進捗している広域交流拠点の形成に向けた取り組みや、新たな産業用地創 出の取り組み等を着実に推進させることで、地域経済の活性化を図り、将来に おいても活力ある持続可能なまちづくりを行っていくことが必要である。
また、相模原市では平成25年に「公共施設の保全・利活用指針」及び「相 模原市土木施設維持管理基本指針」をそれぞれ策定するなど、すでに人口減少 社会における都市基盤のあり方等について検討が進められているが、こうした 施策を着実に推進することにも期待したい。
さらに、こうした取り組みに加え、例えば再生エネルギーの活用等による環 境負荷の低い新たなまちづくりなど、これからの時代を見据えたまちづくりに ついても積極的に推進していくべきである。
4 災害に強いまちづくり
阪神・淡路大震災や東日本大震災などの地震災害はもとより、近年頻発する 集中豪雨や土砂災害、さらには中山間地域における雪害などを踏まえた、市民 が安全に安心して暮らせるまちづくりはいつの時代にも要請され、近年では東 日本大震災の教訓から、市民の安全・安心に対するニーズは一層高まりを見せ ている。
一方、近い将来起こることが危惧されている首都直下型の地震では、相模原 市にも大きな影響が及ぶことが予想されており、その備えとして建物の倒壊や 火災延焼等による被害を最小限にとどめる対策を引き続き行っていくことが必